【ビルド&配布編】Tauriアプリをリリースしよう – Todoアプリを作る⑤

Tauri×Next.jsでのTodoアプリ作成

はじめに

これまでのシリーズでは、Tauri × Next.js を使って、ローカルファイル保存機能付きのTodoアプリを開発してきました。

今回はその最終回として、このアプリをmacOSとWindowsで実行形式(.app / .msi)にビルドし、配布できる状態にする手順を解説します。
簡単に他の人に渡せる形にするところまでが、Tauriの魅力でもあります。

ビルド前の準備

Tauriでは、ビルド時にNext.jsのアセットが必要になるため、まずはWeb部分をビルドしておく必要があります。

# Webアプリ部分をビルド(Next.js)
npm run build

この結果、.output/public.next ディレクトリ(構成による)に静的アセットが生成されます。
Tauri 側の tauri.conf.json または tauri.conf.ts で、ビルド時の dist パスがこの場所に設定されているか確認しましょう。

// src-tauri/tauri.conf.json の例
{
  "build": {
    "distDir": "../out",
    "devPath": "http://localhost:3000"
  }
}

macOSでのビルド

macOSでは、Tauriは .app 形式 のアプリを生成します。Apple Developer署名なしでも自己署名されたアプリとしてローカルで実行可能です。

# Tauri CLIからリリースビルド
npm run tauri build -- --bundles app

実行結果:

  • src-tauri/target/release/bundle/macos/TodoApp.app が生成されます
  • Finderでダブルクリックすれば起動可能です
  • 初回起動時に「未確認の開発元」の警告が出ることがあります

実行すると開発時は左下にあったnextのアイコンが消えていますね。これでリリース版のアプリが作成できました。

Windowsでのビルド

現在(2025/6/1)、cargoコマンドのビルドを行うとWindows Defenderでウイルス判定されるようです。実行したい場合はフォルダを除外設定するなど対応が必要です。

Windowsでは、.msi または .exe 形式でアプリが出力されます。

今回は、特にこだわりはないのでデフォルトであるmsi形式で出力します。

ビルドコマンド

npm run tauri build

実行結果:

  • src-tauri/target/release/bundle/nsis/TodoApp_0.1.0_x64-setup.exe が生成されます。
  • ダブルクリックでインストーラが起動し、C:\Program Files にアプリがインストールされます。
Mac OSやLinuxでwindowsのビルドを行う場合は、 NSIS公式サイト からインストーラをダウンロードしてインストールして行う必要があります。
Windows Installer
The cross-platform app building toolkit

成果物の配布方法

  • 自己利用:メールやSlackなどで .app / .exe を共有
  • 公開配布:GitHub Releases にアップロード
  • Web経由:独自ドメインからZIP形式で配布

また、公開時には、READMECHANGELOG をつけると信頼性も上がります。

まとめ

今回は、TauriアプリをmacOSとWindowsそれぞれの環境でビルドし、実行可能な形式で配布する手順を紹介しました。

これで、開発したTodoアプリは他の人にも使ってもらえる状態になりました。

次は、アプリのUX向上として「通知機能」や「起動時の初期UI改善」など、より完成度を高めるステップに進んでいきましょう。

🔗 関連記事:
第1回:Tauriとは?環境構築とプロジェクト初期化
第2回:Todoリスト画面を作成
第3回:期限付きタスクの追加・削除
第4回:ローカルファイル保存機能

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